理学療法士の学校選考については、大学に決めるか理学療法士専門学校を選択するかと悩むところが多いといえます。
そして、保護者から考えると、自分自身が進路を考慮していた時代のイメージで、何となしに大学のほうが安心と考えがちかもしれません。
しかしながら、理学療法士という仕事のことを考えれば、そのように断言はできません。
全体的な相違点について
端的に言いますと、大学に関しては理論重視で、専門学校に関しては実技重視になります。
また即戦力の観点からすれば専門卒、それから長期角度でみれば大卒という例えがぴったりといえます。
全般的には病院へと就職する際、大卒と専門卒では給与が異なることがあります。
たしかに収入という側面で大卒が有利なことから、人によって専門卒後3年次編入で入る人もいます。
費用上の理由で私立が困難であるとなれば、専門卒業の後、大卒の資格を手に入れたいのであれば、しばらくの間勤務した後に自分自身で金銭をためて、3年次への編入もありといえます。
そう簡単には決められない案件でしょうが、ただしいずれも入学のための受験はあります。
ですので、学習を第一に進めつついずれを選択するかについて、時間を掛けて検討するのがよいといえます。
実際に行われる講義の内容について
講義式の授業に関しては、両者ともそれほど大きな相違点はありません。
国家試験の科目は確定されていますので、いずれも受験に必要不可欠な講義内容は必ずといっていいぐらい網羅します。
それに加えて、理学療法士の教育の面で欠かすことができない臨床実習に関しても、内容や実施時間等の相違点はありません。
強いて言うと実習先は、医学部では附属病院や関連施設を踏まえての実習となる傾向も見られるのですが、専門では一般病院それから介護老人保健施設、さらにクリニック等での実習が多いです。
講義についての最も大きな違いは一般教養科目があるか否かです。
学士を獲得するためどちらかというと学問にウエイトが置かれます。
専門は応用可能な職業教育を実施することがメインになるため、現場において活用できる専門的な知識やテクニックを磨くための講義に注力しています。
就職する際の違いとは?
資格を要しない企業に対する就職を考察すると、大卒のほうがアドバンテージになるケースが多く見られますが、理学療法士のケースでは国家資格を持っていることが前提条件となります。
ですので、大卒だからアドバンテージになるということはありません。
雇用でアドバンテージになるポイントの可能性があるのは、伝統校を卒業していることでしょう。
学校を出た後、長いキャリアがあれば、新人を雇用する立場になる方もいます。
信頼に値する母校の後輩を雇用することもありますし、さほどスケールの大きくない病院や施設においては職員募集を公募する前に、まず第一に自分自身の母校に対して問い合わせることもあります。
しかしながら、雇用の時に最も見られるのは、いずれの学校を卒業したかということよりも、自分自身がどんな人なのかということがあげられます。
これに関しては一般的な会社と変わりません。
大学及び専門学校との相違点についてピックアップしましたが、前者が良いか後者が良いかというような問いに対しての正解は存在していません。
学校選択の出発点はなんといっても、自分自身がどういった理学療法士になりたいかと考えられます。
理学療法士という立場でどういった活躍を行ないたいのか、そしてその意欲を可能にするのに一番相応しい学校はどこかという観点から、どちらが自分自身に適しているのかを考えつつ学校選考に取り掛かるのが望ましいといえます。